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― 喉頭(こうとう;ノド)異常感からみた新しい慢性せき診療の展開 ―

喉頭異常感から真菌colonizerを探し出せるか?

数ある喉頭異常感の中でも “ のどに痰が絡みつく感じ ” a sensation of mucus in the throat (SMIT; スミットと呼んでいます!)は、たんから真菌(カビ)が分離培養されること、すなわち真菌の気道への定着colonizationと関連の深い異常感であることがわかりました。

 

我々のデーターでは、SMITスミット症状を伴う慢性せき患者様の50.6%のたんの真菌培養で何らかの真菌が検出されました。せきの診療において、SMIT症状はFACCを探し出す有力な手がかりとなりそうです。

SMIT症状をともなう咳で苦しむ患者様が、全国にいらっしゃること、そしてその診療を求めていることが明らかになりつつあります。

 

 

さまざまな "のど"の異常感から慢性咳嗽の診断を推測する!?

 

のどの異常感を根拠に、慢性咳嗽(がいそう)の原因疾患を特定することはできないにしても、存在している咳疾患を推測する手掛かりになるかもしれません。そこで、我々は喉頭異常感を適切に評価するためのツールとして国際的に認可されているニューキャスル喉頭過敏質問票 Newcastle laryngeal hypersensitivity questionnaire (NLHQ)の日本語版を作成することにしました。

NLHQの日本語版の作成にあたって、我々が日本語に訳したものを業者に委託して逆翻訳し、それを原著者PG. Gibson教授に査読いただき、品質保証を受けるともに使用許可を得るという過程をとりました。一般的な文章ではなくイガイガ、コソコソ、ムズムズといったいわゆるオノマトペ(擬音語)の翻訳は、難航しましたが達成感のある作業となりました。

ニューキャスル喉頭過敏質問票(日本語版)の使用にあたっては、質問表の変更は許されていませんが、【小川・新実版】として言及いただくことで自由に利用できます。


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